マラリアの政治

・政治
政府 西京駅前の政府機関
立憲君主制。国王は国家元首だが一切の権力を持たず、王国議会が立法権を、関白太政大臣が行政権を握る。
松島王国の政体はイギリス型議院内閣制に似ている(法体系も英米法に準ずる)が、硬性の成文憲法を持つという違いがある。
なお、ウ・ツァンは松島王国の勢力圏に含まれるが、独立したState(州・国)であり、大ラマ(選挙で選ばれるが、一度就任すれば絶対的な権威・権力を持つ)の支配する政教一致体制をとっている。
・国王
王国元首。敬称は厳密には殿下だが陛下と呼ぶことも多い。一切の政治的権力を持たない。
歴史的にはいわゆる安徳天皇の子孫とされ、三種の神器の草薙剣とされる古い鉄剣を代々継承してきた。問題の鉄剣は日本との合併時に東京へ運ばれ、未だ返還されていない。このため、宗教上は松島王国の正当な統治権は日本にあることになる。
貴族に関しては、爵位は世襲されるが、特権は世襲できない。初代貴族(上院議員に任命される)は、国家への功労者を議会の推薦に基づき国王の名において叙任する。
・議会
王国の最高意思決定機関であり、西京駅前に位置する。
上院は定数不定。貴族(功労者が叙任される)・王立裁判所判事・聖職者(主要神社の宮司など)などにより構成される。実権はあまりない。基本的に無給。
ちなみに、貴族の子は爵位を継承することができるが、(敬意以外の)特権を持つことは禁止されている。当然、本人に叙任に値する功績がない限り、上院議員にもなれない。
下院は小選挙区制で任期5年。定数100名。解散有り。選挙権は20歳以上の王国国民。被選挙権は25歳以上。松島王国は男尊女卑社会とされ、2006年選挙における女性下院議員は37人と、改選前の34人から増えたとはいえ、決して多くはない。しかし、それでも北欧諸国を除くと比較的高い部類に属する。
議場の与野党の席の前には、それぞれイギリス式に線が引かれており、それを超えることは許されないため、乱闘騒ぎは起こらない。しかし、マラリア人はイギリス人と違って紳士ではないため、議場では悪口が飛び交う。
政党は、保守党正義党の二大政党といくつかの小党がある。
・行政府
西京駅前に位置する。関白太政大臣(首相)以下、財政部(Department of Finance)・内務部(Department of Home Affairs)・外交部(Department of Foreign Affairs)・国防部(Department of Defense)・法務部(Department of Justice)・教育部(Department of Education)・科学部(Department of Science)・農林部(Department of Agriculture)・産業部(Department of Industry)・土木建築部(Department of Construction)・環境部(Department of Environment)・保険福祉部(Department of Health)の12部(省庁に相当)を置く。
MinistryではなくDepartmentとなっているのは、アメリカ式というのではなく、旧松島総督府の組織を流用・改組したため。
関白太政大臣(Prime minister)は、下院第一党の党首が就任する。
マラリアの公務員は特定の政党と関係が深い者が多く、政権交代があると、各部局の幹部はごっそり入れ替わる。平時においては優秀な人材を官民双方に供給する機能を持つが、政党再編時には深刻な人材不足を引き起こしたこともある。
・王立裁判所
王立裁判所は、松島王国の最高裁で西京(旧市街)にある。松島王国は法治国家であり、裁判所は重要な役割を果たしている。
マラリアの法体系はイギリスの影響を強く受けている。議会が制定する法律は法の基準にすぎず、法の運用は裁判所の判断による。また、イギリス同様に陪審員制度を持つ。
・外交
世界でも数少ない親日国である。労働党崩壊の影響から「ファシズム勢力」が強く、「良識派」日本人には嫌われている。外交の基本は親米英。アメリカと相互安全保障条約を締結しており、朝鮮戦争以来何度も海外派兵をしている。なお、前回国連事務総長選で反主流派となったため、王国関係者は国連から締め出しを喰らっている。
極右政権の靖国神社参拝は、多数のアジア諸国から非難されているが、王国は相手にしていない。元々、王国の産業は日本への輸出により支えられており、仮にアジア諸国が経済制裁を行っても効果は薄いと考えられる。
なお、北朝鮮及び台湾とは国交がない。
軍事
松島国防軍は陸海空の3軍から構成され、完全志願制をとっている。
地方制度
本国であるマラリア(松島)州と、その植民地である朝霧・タンバレード回廊両州からなるが、制度上は郡が王国に直属し、州は「地域区分」としての意味合いしか持たない。(ゲーム上は、各郡がそれぞれ独立した地域である。)
なお、松島王国の植民地は、制度上は本国と全く同じであり、ただ植民活動が行われているという点のみが異なる。当然、植民地からも下院議員は選出される。
郡には市町村が所属する。松島王国では、定住人口のある地区は独立した市町村となり、行政区になることはない。一方、人口ゼロの農業区域・自然保護区等は他の市町村に所属するか王国直轄地となる。
郡及び市町村は多くの権限を持ち、税制も市町村税が基本となっている。
治安状況
治安は比較的悪く、場所によっては反政府キリシタンによるゲリラが出没する。西京付近では犯罪件数は10万人あたり4件/月だが、治安の悪い篠目では38件に達する。
このため、松島王国の刑罰は厳しく、殺人犯は情状酌量の余地がない限り原則死刑である。外国人であっても遠慮無く処罰されるため、近年も某国人多数が性犯罪で去勢刑を受け、焼身自殺者まででる騒ぎになった。なお、王国では死刑は殺人(強盗殺人や死者の出た放火なども含むが、過失致死は除く)に限られており、国家反逆罪・外患誘致罪といった重罪でも、死者が出なければ決して死刑にはならない。死刑は従来絞首刑と決まっていたが、臓器移植のため薬物注射も可能とするように刑法改訂が行われた。曰く、「人殺しはその命をもって人助けをすべきである」。(むろん、マラリアに単独の「刑法」という法律は存在しない)
ちなみに、ウ・ツァンの犯罪率は10万人あたり64件/月に達し、連邦最悪である。ただし、これでもアメリカよりは治安がよい。
キリシタン
キリスト教過激派。火焔瓶による交番襲撃、鉄パイプ爆弾等自作爆発物による爆破、銃火器の密輸、鉄道への障害物放置、高圧送電線切断など、様々なテロ活動を行っている。
王国では、キリスト教の信仰自体は容認されており、根本主義を唱え進化論を否定したところで、軽蔑されるだけで刑事罰は受けない。キリスト教信者一般の王国での呼び方は「キリスト教徒」または「クリスチャン」であり、「キリシタン」は「反政府キリシタン」と同義である。
分離壁
朝霧やタンバレード回廊の陸上国境(山岳部は除く)に張り巡らされているコンクリートの壁。周辺キリスト教地域からのキリシタン流入を防ぐために、「ベルリンの壁」を参考に王国政府が建設した。
戦車を防ぐことまでは期待していないので、ブレアーの鎖国壁ほどの規模はない。
共和主義者
王制打倒を訴える過激共和主義者。共産主義者と一緒くたに「主義者」とも呼ぶ。最近は中心メンバーの南オーディリア亡命により、共産主義ともども勢力は衰えている。
王国は、殺人・傷害等の重犯罪を犯していない反政府主義者に対しては、国外亡命を容認、いや、奨励している。人殺し以外は死刑にできないし、刑務所で飼っておくのも税金を使うので。
なお、王国では歴史的経緯から(日本領時代を除き)思想信条の自由が保障されてきたため、共和主義者やキリシタンであっても、実際に犯罪行為を犯さない限り処罰できない。
えせムスリム
テロリズム(殺人)を容認する異端イスラム教徒。松島王国はイギリス・イスラエルなどと並んでイスラム過激派の攻撃目標となっており、2004年には西京同時自爆テロ事件が発生している。しかし、松島王国では銃火器や爆発物が厳しく規制されていることもあり、イスラム過激派によるテロは少ない。
緑豆
急進的環境保護団体。王国の捕鯨船や核燃料再処理工場を襲撃する。
殺人まではやらないし、マラリア人好みの派手で目立つ行動が共感を呼んでいること、多くの環境問題やフランスの核実験に対して政府と共同戦線を張ったこともあり、監視対象ではあっても弾圧まではされていない。
財政
税金は、所得税・法人税と付加価値税を中心とする。
税体系は比較的単純だが、不公平という声も強い。もっとも、国民が税金に満足している国など、ほとんど存在しないわけだが。
酒・茶・コーヒー・チョコレート・ビンロウジ・砂糖といった嗜好品(準麻薬)には高い税金が課せられている。マラリアでは酒は単純にアルコール量に比例して税金が課せられるので、蒸留酒はとんでもない値段になる。逆にビールは日本より安い。なお、マラリアでは未成年者の飲酒は禁止されていないが、子供に酒やコーヒーを飲ませたり、砂糖やチョコレートを食べさせることは、あまり良い行動とは見なされない。
酒やコーヒーを生産するのは自由。ただし、税金の支払いが必要となる。日本領時代には個人の酒造は禁止されていた。
ちなみに、タバコは大麻と同じ「麻薬」に分類されており、購入・所持・喫煙には医師の処方箋が必要となっている。違反者は懲役刑。なお、アヘンやコカイン等は禁止薬物であり、医学研究以外に使用することは許されていない。

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