マラリアの民族

・民族
主要民族は、古代〜中世にかけて日本から入植したマラリア人と、日本領時代及び戦後の一時期に日本から移民した日本人。両者の文化・慣習には多少の違いはあるが、基本的に同系統の民族。少数民族として、沖縄人・ベトナム人・中国人(華人)・太平洋系諸民族など。王国は民族別の人口統計を取っていないため、各民族の人口は不明。概ね人口の6割がマラリア人、2割強が日本人、その他が2割弱と言われる。
松島王国は外国人の定住を好まず、2世以降は国籍取得(条件は法に明記され行政裁量に依らない)か域外退去を迫られることになる。犯罪歴があると国籍取得は(原則として)認められないため、追放された日系人が羽田空港(当時の国際空港)内に難民キャンプを作り、大問題になったことがある。
なお、松島王国は、外国系住民に国家への忠誠と公用語である日本語の習得を要求するが、民族文化の放棄は要求しない。西京などの中華街の住民は、大抵が中国系マラリア人となっており、中国企業の駐在社員などを除き中国籍は少ない。
名前のつけかた
古くからのマラリア人は姓・氏・名を持つ。姓は血統を示し、氏は家名を示す。結婚しても姓は変わらないが、氏は夫婦で揃える(嫁の場合夫の氏、婿なら妻の氏となる)。姓は中国と異なり父親の姓を継承するとは限らず、母親の姓を継承する場合もある。
姓には、藤原(二条氏・冷泉氏など。伊藤氏は藤原ではなく越智)、余(大内氏など。松島の大内氏は、多々良姓ではなく余姓を名乗る)、平(平家一族)、源(松浦氏・村上氏など。嵯峨系・清和系などに分かれる)などがあり、真人・朝臣・宿禰・忌寸の4種に分類される。なお、通常は日本と同じく氏・名を使用する。氏はほぼ日本と共通であり、名前の流行も日本と連動しているため、氏名だけで日本人とマラリア人を区別するのは不可能である。
日本系は氏・名しか持たないが、姓をもつ者もいる。中国・台湾・ベトナム系は概ね姓・名しか持たない。太平洋系は出身地により異なるが、概ね部族名・家名を姓・氏とし、マラリア式の個人名を持つことが多く、姓氏の表記は漢字だったりカナだったりする。姓または氏を持たない民族は、公文書の該当欄を空白にせざるを得ないため、王国の住民登録制度はややこしい問題を抱えている。
このマラリア式「姓氏名」が、朝鮮半島の「創氏」を生んだ。つまり、朝鮮人にマラリア式に「氏」を作らせ、戸籍管理を容易にしようというのである。もちろん、ケセッキ(マラリア人のこと)式を導入することは朝鮮人の自尊心が許さず、すさまじい反対運動を引き起こした。
移民
後期日本領時代(1902-1945)及び戦後の一時期には、日本から多数の移民が入植した。沖縄出身者が最も多く、高知・広島など中四国・九州出身者も多かった。
現在では、オセアニア島嶼部から少数を受け入れているのみであり、流出の方が多い。
なお、マラリアでは、歴史的経緯から、旧日本領(1902年の合邦当時の大日本帝国領。南樺太のロシア人は含まれない)及びオセアニア島嶼部からの移民は比較的容易に行う事が出来る。
密航
マラリアの所得水準は日本の1/3と低く、言葉の壁も存在しないため、日本への密航者はきわめて多い。不法滞在者1位、外国人犯罪者3位という不名誉な状態が続いており、マラリア人の日本入国は制限されている。
2005年、愛知万博開催に伴い、団体旅行に限り訪日観光ビザの発給が開始された。不法滞在を避けるため、旅行者の資格には厳しい審査がある。
逆に、日本人は簡単にマラリアの入国査証(ビザ)を取得できる。また、空港で指紋(十指)と顔写真を登録すればビザ無し入国も可能だが、急な出張を余儀なくされたサラリーマンを除き、この制度の利用者は少ない。
ちなみに、マラリア人は住民登録時に顔写真に加え指紋を登録することになっているが、こちらの方は別に拒否したところで罰則はなく、海外旅行時の出入国手続きが面倒になることと、事故に巻き込まれたときに身元が分からなくなる危険がある程度。
難民
第二次大戦後の混乱の経験から、松島王国は難民の受け入れにはきわめて慎重。大規模な難民の受け入れは、旧南ベトナム政府関係者ら約10万人のみとなっている。
マラリア島近海にはいくつかの無人島があり、中には面積45平方キロとかなり広い島もある。2000年、南太平洋のツバルは松島王国へ無人島の割譲を非公式に要請したが、王国は断った。
・言語
公用語は日本語で、英語やラマ語はほとんど通じない。
日本領時代の方言禁止政策により、固有方言はほぼ消滅しており、ごく普通に標準語が通用する。ただし、アクセント等には多少の違いが残っている。
法律上は松島圏(松島王国)の日本語は正書法(旧かな)だが(「現代かなづかい」制定以前に分離したため)、日本製書籍(国語教科書も含む)・テレビ番組の影響により、マラリア人の多くは正書法が使えない。
・宗教
松島王国は神道を国教とするが、実際のところマラリア人の多くはあまり信仰心が篤いとは言えない。
近年、極右政党「正義党」支持者を中心に、原理主義が広がりつつあると言われるが、その実態ははっきりしない。元々、マラリアの神道には系統立った教団組織も信仰の中心地もそれどころか教典すら存在しない。日本領時代、神宮(伊勢神宮)を頂点とする組織化が行われたが、あまりうまくいかなかった。
宗教統制制度
松島王国では信仰の自由は認められていない。もちろん、仏教・イスラーム・通常のキリスト教などを信仰するのは自由だが、武力による政府転覆を目論む宗教、殺人や窃盗などの犯罪行為を認める宗教は禁止される。
キリシタン
キリスト教徒の中で、特に政府の転覆を目指して武装闘争を行う者を「キリシタン」または「反政府キリシタン」と呼ぶ。これに対し、カトリックやら福音派やらの信者は「キリスト教徒」または「クリスチャン」と呼ばれる。
キリシタンは王国の治安に対する最大の脅威とされている。特に、9.11NYテロ以降には、ファシズム政権による徹底的な弾圧が行われている。
ネット右翼
ネット右翼とは、インターネット上で右よりの発言を行う者である。その多くはリアルでも右翼なのであるが、実はマラリア人であり、日本ではネット上にしか存在しないように見えるためこの呼び名がある。その人数は数万人に達するといわれる。
過去の侵略戦争において松島王国は共犯者であり、そのためネット右翼は「南京大虐殺は一般市民に対する虐殺ではなく、ゲリラを処刑しただけ」とか「朝鮮半島での日本名への改名は強制ではない」とか「従軍慰安婦は親や親戚に売られただけで軍による強制は無かった」などと主張する。
こういう主張がマラリアでまかり通るのは、松島王国では人道よりも証拠が、徳よりも法(条約を含む)が重視されるためである。いかに人道に反しようが、はっきりした物的証拠がなければ(証言しかなければ)史実ではないとされる。もちろん、王国にとって都合の悪いことであれ、証拠が有れば史実なのであるが。
ネット右翼は、日本の憲法改定を要求したり、人権擁護法に反対したり、領土問題で日本政府が強い態度に出ることを求めるなど、れっきとした内政干渉までしている。某右翼教科書が数十万部売れたにもかかわらず、採用した自治体がほとんど無いというのも、韓国を批判する漫画がオンラインでは飛ぶように売れるのに、本屋では不良在庫の山と化しているのも、ネット右翼が日本ではなくマラリアに住んでいるためである。
良識派
あれこれ問題を引き起こし、国際社会の嫌われ者である松島王国だが、良識派がいないわけではない。しかし、リベラル勢力が労働党発狂の影響を受けて壊滅的打撃を受けたため、多くが南オーディリアに亡命している。
残念ながら、南オーディリアもまた過激派に走っており、正義のためなら暗殺すら容認するような風潮がある。

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